flotsam books（フロットサムブックス）

パリを拠点とするイギリス人フォトグラファー、Chris Shaw（クリス・ショウ）の写真集「HORIZON ICONS」です。本書は、作者が2013年夏に訪れたジョシュア・ツリー国立公園（カリフォルニア）での滞在中に撮影した作品を収録。早朝の砂漠で強いフラッシュを用いて植物を撮り、夜には滞在先のバスルームに作った簡易暗室で現像を続けた。そのような手法で作り上げられた作品は、植物がまるで砂漠でダンスをしているようにも見え、力強いイメージを映し出している。作者特有の写真のエッジに加え、作品に手書きのタイトルをいれる作者らしい編集も健在。シンガーソングライターでもありアーティストのAlison Mosshart（アリソン・モスハート）によるテキストを巻末に収録。

近代写真の父として知られるドイツの写真家August Sander（アウグスト・ザンダー）の２０世紀の人々を撮った写真集７冊セット「People of the 20th Century」です。

ドイツの写真家 Andrzej Steinbach（アンジェイ・スタインバック）の写真集「Figur I, Figur II」です。２人の女性を撮った、明瞭さ、不安、刺激性シリーズをまとめています。白い背景に様々なポーズ、様々な服を纏う二人。それはMarianne Wexの写真の研究を彷彿とさせます。アーティストはモデルの残存するアイデンティティを明らかにする為にファッション写真撮影の身体言語を用いながら、彼は繰り返しそれを破壊します。

ロンドンを拠点とするフランス人アーティスト Carly Steinbrunn（カーリー・スタインブルン）の初作品集。本書は未知なる世界への探索についた科学報告書であり、収録された数々の写真は発見された物の目録であり、James Cook（ジェームズ・クック）やClaude Lévi-Strauss（クロード・レヴィ＝ストロース）の旅行記などに見られる博学的好奇心を持ち合わせている。作者の作品は地理学、植物学、人類学や動物学に影響を受け、科学と写真史双方の要素を取り入れている。Le Gray（ル＝グレイ）やBlossfeldt（ブロスフェルト）の様に写真の進化を探る一方、ファウンド・オブジェを使い写真という媒体の透明性を問う。それは、写真は現実の指標でもありながら、フィクションの索引でもある。またこのプロジェクトは意図的に未完成であり、ここだけにしか存在しない世界へ道順を示す標識があるだけである。最終的にはこの作品集は写真と探検が深い繋がりを持っていた時代へ言及しており、全ての島々が地図に記され、国境が越えられたこの時代では、唯一残された冒険は写真の中に記録されている。

Bill Sullivan（ビル・サリヴァン）の写真集「Forest Hills」です。「Forest Hills」は歴史の新しい種類を作成する為に20世紀のテニスの歴史と芸術、混乱と二つの物語を合成する為に作成されます。それは、かつてテニスの中心地であり、今やほとんど忘れ去れ去られたアメリカフォレストヒルズの失われた世界です。Bill Sullivanの本は写真と画像を使いながらその隆盛を示します。敷地とスタジアムの歴史、虚飾と外観の様々な変遷そして究極の最期を辿ります。それは歴史に無関心な/歴史的文書として機能し、実際の場所についての話だけでなく、この場所が時間の経過とともに過去の人々にどのように見られてきたかという長い瞑想でもあります。

New York生まれの俳優、作家、編集者、レゲエ研究家、写真家等多数の肩書きをもつRoger Steffens （ロジャー・シュテフェンス）による写真集「The Family Acid」です。ベトナム戦争時米軍の心理作戦に奉仕ている時に始めた日常生活のスナップショットから、徐々にサイケデリックな方面に移行していきます。４０年間に４００００枚以上に及ぶアーカイブから選ばれた作品を編集した作品集です。サイケデリック先駆者で心理学者ティモシー・リアリーと作家ハンター・S・トンプソンに触発され、友人達やヒッピーやビートニクス、GONZO（ならず者）や、ミュージシャン、アーティスト、彼の家族や、自分自身の自由奔放な生活など、ステファンの世代のカウンターカルチャー精神を写し出しています。

オランダの写真家 Friso Spoelstra（フリソ・スポールストラ）の写真集「Devils And Angels」です。過去10年の間に16の異なるヨーロッパ諸国の多くの伝統的な民俗祭を訪れ、それらの写真の中で伝統を記録している。 「Devils And Angels」は、その畏怖すべき怪物たちと一緒にこれらの物語をもたらし、個性だけでなく、ヨーロッパの増え続けるの様々な異なる文化間の驚くべき類似性を示しています。

「Sleeping by the Mississippi」(Steidl, 2004) が出世作として広く知られ、国際的写真家集団「マグナムフォト」正会員を務めるアメリカ人フォトグラファー Alec Soth（アレック・ソス）の作品集。本作では2012年から2014年にかけてニューヨークからシリコンバレーへと横断しながら、各州に存在し独自の文化が形成されているコミュニティに集まる人々の生活を撮影したモノクロ作品を収録。これまで「NY TIMES」や自身のレーベル「Little Brown Mushroom」でのタブロイド・シリーズ「THE LBM DISPATCH」を通して発表されてきたこれらの作品から根源的な繋がりを求める人間の感情に焦点をあて、本来セットとなっていたテキストを排除し様々な音楽の歌詞と共に再編集。個人主義と繋がりへの希求、それらの間にあるアメリカ人の感情を叙情的に描き出した一冊。アメリカ・サンフランシスコのギャラリー「Fraenkel Gallery」で2015年2月5日から開催される同名展覧会に併せての発行。

アメリカの写真家 Bryan Schutmaat（ブライアン・シュトマート）の写真集「Grays the Mountain Sends」です。肖像画、風景画、そして静物などの一連の写真によってアメリカ西部の小さな山の町、鉱業のコミュニティに居住し、働く人々の生活を探ります。アメリカの詩人Richard Hugoの詩に触発され、大型のカメラで、自分自身の感情に拍車をかける環境で出会った見知らぬ人々の物語を伝えることを目的として。そしてより重要なのは小さな町の生活にある風景、瞑想、そして、普遍的な男たちの内にある風景です。