flotsam books（フロットサムブックス）

ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト, アーキビスト Guadalupe Rosales（グアダルーペ・ロサーレス）による作品集「MAP POINTZ: A COLLECTIVE MEMORY」　です。
2015年以来、90年代のLos Angeles Latino /パーティークルーシーンやユースカルチャーに関連した写真、オブジェクト、エフェメラのアーカイブを開発するプロジェクトが進行中です。
アーティフェクツや記憶に残る物を保存することによって、Rosalesの作品は疎外された歴史を分解して再構成し、会話のプラットフォームと自己表現の機関を提供します。
本書は、SoCal 90年代のパーティークルーやレイブシーンの若者を中心に構成しています。彼女のアートインスタレーション作品の制作は、デジタルアーカイブを物理的なものに取り入れて没入型体験を生み出します。

本書のタイトル「WHISTLE（口笛）」が持つ言葉の意味は、多くの結論を観る者にもたらしている。我々が夜の闇へと歩みを進めるにつれ、不安定な口笛のメロディーが心の鬱積から解き放つように鳴り響く。それは、他者に向けたシグナルとして記号化された「口笛」か。それとも純粋な、はたまたおおよそ純粋な音のような、口笛そのものが持つ特徴ですらあるだろう。

イスラエル人アーティスト、Rona Yefman（ロナ・イェフマン）の写真集「LET IT BLEED」です。本作は、作者にとって最初のモデルであり、インスピレーションであった弟ジルを1995年から2010年まで記録し続けた親密なコラボレーション。
その中でも最も複雑なのは2000年から2008年にかけての実録であり、作者はジルが男性から女性へと変容するプロセスと、そこから彼女（彼）が「性を越えた存在」（ジルの言葉を借りると）へと変わり行く様子を記録した。
伝統的な性の役割に反発したこの広範囲に及ぶコレボレーションは、ロールプレイ（役割演技）やパフォーマンスの様子をスナップ写真や映像で記録し、よりリアルな感情的状況をさらけ出している。空想や希望、欲望の中で体験する成長という過程と関係性、そして失望、混乱、衝突、家族間タブーとの戯れが記録されている。

ニューヨークをベースに活躍するイギリス人写真家 Nick Waplingto（ニック・ワップリントン）の写真集「A Good Man's Grave His Sabbath」です。1986年ハンティントンビーチでサーフプロ選手権の日に起こった暴動「SURF RIOT」の様子と、イギリスのストリート写真やパンクシーンを混ぜ込みながらまとめられてます。表紙はシルクスクリーンで刷られていて、格好良い。

日本の写真家 滝口浩史（Koji Takiguchi）の写真集「窓 : SOU」です。2004年、写真新世紀展にて作品『狭間』が準グランプリを受賞して10年。この作品から始まった家族の生と死をテーマとした写真集です。

スコットランド生まれ、New Yorkを拠点に活動する写真家 Graham Macindoe（グラハム・マッキンドー）の写真集「ALL IN. BUYING INTO THE DRUG TRADE. 」です。麻薬中毒である写真家自身がコレクションしたヘロインの入っていた袋を撮ったシリーズをまとめています。Twilight、Crooklyn や New Jack Cityなど大衆文化を参照したグラシン紙の袋にグラハムは興味を惹かれます。ディーラーによると、それらはブランディングやリスク回避の為に、もしくはファーストクラスなどと錯覚を与えるために、ネーミングされたロゴを使っているらしい。
ルー・リードはヘロイン中毒を描写する為の歌「Perfect Day」を書いた。それはすべての中毒者が追跡するものだ。しかし、そのドラッグの売買は、すべての製品のように、常に約束しているものに私たちを導かない。このヘロインの袋は、欲望の力と、私たちが何らかの方法で私たちの生活を変えられると思ってる約束、言うなら、私たちの弱さの両方を思い出させます。

ホンマタカシ（Takashi Homma）キュレーションによる中平卓馬（Takuma Nakahira）の写真集「GECKO : やもり」です。Nick Haymesによる出版レーベル Little Big Manからの出版。両側リング製本になっており、右ページ、左ページ交互に捲る装丁もカッコイイ。動物、置物、子供などが素直に自由な感覚で撮られた写真で構成されています。折り込みポスター付。