flotsam books（フロットサムブックス）

Creative Growth Art Centerのアーティスト Alice Wong（アリス・ウォン）の作品集「Painting Photographs」です。
ウォンはヴィンテージの写真を大胆に解釈し、家族アルバムのようなキッチュな写真や、ありふれた植物や風景の写真に新たな命を吹き込み、鮮やかな抽象の領域へと変貌させています。
ペイント・マーカーを使い、流用したイメージの形式的な特質を強調したり曖昧にしたりするウォンの手つきは、それぞれの根底にあるイメージにエネルギーを与え、見る者の目を再調整し、静止した構図への評価を呼び起こします。
流れるようなマークメイキングとカラーブロッキングへの印象的なアプローチにより、ウォンの工芸は写真プロセスと融合し、過去を感じさせると同時に完全に現代的な印象を与える作品を生み出します。

アメリカのアーティスト James Turrell（ジェームス・タレル）のGagosian Galleryで開催された展覧会に合わせて刊行された作品集。ライトアップされたガラスの平面の Tall Glass シリーズ、Perceptual Cell シリーズの没入型インスタレーション、Bindu Shards（2010年）、ローデン・クレーターの鋳造ブロンズと石膏の模型、記念碑的プロジェクトであるアリゾナ州北部の写真などが紹介されています。

Gerhard Richter（ゲルハルト・リヒター）は常に風景を扱ってきました。
雑誌やアマチュア写真のイメージに基づくモノクロの風景、厚いインパストで描かれた山や公園の風景、柔らかな色調で透明感のある幻想的な湖の風景など、これほど彼を魅了し、長年にわたって夢中にさせたモチーフは他にありませんでした。
1968/69年の繊細なコルシカ島の絵画以来、風景画はリヒターの作品の中で確立された、独特の作品群となっています。
リヒターは絵画的な方法で現実を捉え、風景と抽象は対立するものではなく、関連する概念として現れている。優れた図版と洞察に満ちたテキストを含む本書は、60年代初期から現在までのリヒターの風景画を検証しています。

パブロ・ピカソ没後50年に際して、パリのピカソ美術館はSophie Calle（ソフィ・カル）をオテル・サレに招きました。
現代美術の巨匠の一人であるピカソと向き合いながら、彼女は美術館の全スペースを空っぽにすることを選び、ピカソを追い出して上階に自分の家具や個人のアイテムを設置し、1階では「ゲルニカ」にインスパイアを受けた彼女が長年にわたり他のアーティストと交換してきた作品の巨大なコラージュのような作品を展示しました。
「A toi de faire, ma mignonne」と題した展覧会に合わせて、ソフィ・カルはピカソとの「出会い」を記した本を制作しました。それは警備員からの証言、ロックダウン中に詰め込まれた絵画など、ソフィ・カル特有のストーリーテリング・アートで、多くの物語が紹介されています。

Josephine Meckseper（ジョセフィン・メクセペル）の作品の中心には、消費主義と政治の美化に対する批判的な観察があります。
新聞の広告と政治の報道の直接的な対照に魅了され、彼女の作品はハイカルチャーとローカルチャーという典型的な分類にも批判的な立場をとります。

1964年にドイツで生まれ、ニューヨークを拠点とするメクセペルは、今回、反ブッシュデモの映画やベルリンの抗議行進に焦点を当てています。彼女のショーウィンドウのインスタレーションや手縫いのファブリック作品は、パレスチナのショールなどの左翼のシンボルとファッションアクセサリーなどを組み合わせ、消費物と政治的なシンボルの違いがあるのかを問いかけています。

この出版物は、映画、コラージュ、絵画、彫刻、インスタレーションをフィーチャーし、アーティストの異なる視覚的な世界を簡潔に紹介しています。

Alexander Rodtschnko（アレクサンドル・ロトチェンコ）は、芸術の前衛を体現したアーティストのひとりで、主に合理的な形成プロセスに焦点を当てていました。
彼は絵画やドローイングなどの伝統的なメディアの他に、建築、彫刻、タイポグラフィやデザインなどの応用芸術にも取り組みました。さらに、写真にも強い興味を持ち、「空間構成」という独自のジャンルを確立しました。

ファイン・アートとアプライド・アート、デザインと建築のテクニックを融合させたこのカリフォルニア出身のアーティスト Pae White（パエ・ホワイト）は、相乗効果を利用し、型にはまらない組み合わせで素材を使い、心を揺さぶるインスタレーションや彫刻を制作しています。
彼女の多面的な作品は、ポスターや展覧会カタログなど、他のメディアにも及んでいます。
ホワイトの活動の特徴は、展示会場とその可能性に対する鋭い洞察です。
本書では、彼女が部屋を総合的なアート作品に変える方法を紹介するため、これまでにドイツで制作した最大の作品を詳細に紹介しています。

「Rite of Passage. （通過儀礼）The Early Years of Vienna Actionism, 1960 – 1966 」は、ウィーン・アクショニズムの初期および形成期の代表的な調査をまとめたものです。初期のヴィンテージプリントやオリジナルの接触シート、絵画やコラージュを含むユニークで珍しい選択肢を提供し、依然として私的なコレクションに存在するいくつかの最も重要な作品がカタログに収められています。

イタリアのアーティスト Enzo Cucchi（エンツォ・クッキ）の1980年代の彫刻に捧げれたこのアートブックは、抽象的なモチーフがエンボス加工されたゴムの装丁が特徴です。

本書は、著名なアーティスト、Mark Bradford （マーク・ブラッドフォード）によるタイムリーで野心的なプロジェクト「Pickett's Charge」を、美しい図版とともに紹介します。

ブラッドフォードは、1883年にポール・フィリポトーがゲティスバーグの戦いを記念して描いたサイクロラマに着想を得て、このモニュメンタルなインスタレーションを制作しました。
ブラッドフォードがコラージュした紙を何層にも重ね、そこに隠された質感や複雑さを浮かび上がらせることで、過去と現在、読みやすいものと神秘的に喚起されるものの相互作用が、歴史の従来の直線的な物語を再考するきっかけとなるのです。