【Photographs by】Jem Southam(ジェム・ソウザム)
【出版社】STANLEY/BARKER 2022年
【装丁】Hardcover(ハードカバー)
【ページ】124 pages with col. illus.
【サイズ】23 x 30 cm
【状態】A: New
イギリスのアーティスト、Jem Southam(ジェム・ソウザム)は、過去4年の冬、エグゼ川の氾濫原にある短い川岸を何度も訪れています。夕闇が迫る頃、あるいは夜明けの光が集まる頃、彼は立ち尽くし、それぞれの冬がどのように過ぎていくかを見守ります。
夕方、日没を過ぎると、白鳥、ガン、カモが安全な夜を過ごすために川へやって来ます。朝、鳥たちは目を覚まし、羽繕いをし、餌を食べ、新しい一日のために集まります。
このような些細なドラマが何千年にもわたって繰り広げられ、世界が回転し、新しい日が明けるたびに、その光景が繰り返されます。本書では、ジェム・サウサムは周囲の劇場空間の微妙な変化とドラマを写真に記録し、物語ります。
「数年前の12月の真夜中、私は階下で鳴る電話で起こされました。弟が入院し、担当医から一晩は生きられないかもしれないとの知らせでした。私は弟を見舞いに行き、救急病棟の不気味な静けさの中で、弟が助かると思われる朝方まで一緒に座っていました。
その日の午後、帰宅した私は、川辺を散歩することにしました。夕闇が迫ってくると、私は丸太の上に座って、その日の考えや感情を整理していました。カーブを曲がる水面の揺らぎ、葦や木の枝の揺らぎ、南西の風に押される雲のピンクなど、次第に目の前のことに没頭していきました。マガモが夜の安住の地を求めて土手から押し出し、川を泳いで渡るのを、使い始めたばかりの小さなデジタルカメラを手に取り、素早く撮影しました。
最初の電話から数年後の別の夜中に、再び電話が鳴り、同じメッセージがありました。私はもう一度病院に行き、アンディのそばにいたが、今度はアンディの命が助からなかりませんでした。2021年の春分の日にこれを書いている今、私は川辺の季節、「5回目の冬」を終えようとしているところです。冬の朝、川の曲がり角で、静かな驚異を目撃し、共有することの深い喜びは、なかなか止められない。」 -ジェム・サウザム