【Photographs by】Yamamura, Masaaki(山村雅昭)
【Edited and Designed by】Hosoya, Yusaku(細谷勇作)
【Translated by】花島裕子
【出版社】山羊舎 2012年 Limited edition of 1000 copies.
【装丁】Wrappers, slipcase(ソフトカバー,函付)
【ページ】344 pages with over 200 monochro. illus.
【サイズ】28 x 21 cm
【状態】B: Very Good : 外箱擦れ等
たしかに写真は、現実という複雑怪奇で豊富な内容を、ある一定の瞬間に固定する唯一の表現手段である。だから写真家は、つぎからつぎへと流失して行くこの現実を向こうにまわして、いつもアクチュアルに勝負をいどんでいなければならないのである。人間の顔一つをとるにしても、その人物に対して写真家は受動的な傍観者ではなくその人間の内面に自分自身を積極的にはいり込ませなければすみずみまで見通すことはできない。とられる対象と写真家のレンズの目があの限られたわくの中で衝突する場において、真の新しい映像が生まれるのである。つまり写真を写すこと自体は、とる者ととられるものとの人間的かっとうにほかならず、その瞬間に写真家は1/1000秒でシャッターを切るのだ。(本文より)