flotsam books（フロットサムブックス）

日本のアーティスト Koutaro Inoue（井上光太郎）の2013年から2020年までに制作された油絵作品を掲載した作品集「SLEEPLESS WONDERING」です。
作家がずっと描き続けている家、森、そして人のモチーフを、どんよりと暗雲が垂れ込めてくるような、もしくは霧が立ち込めるようなあやしいタッチは、ついその世界に足を踏み入れたくなる。

イギリスのアーティスト Toby Mott（トビー・モット）の作品集「Dictator Banknotes（独裁者の紙幣）」です。
権力の闇、特に絶対的な権力へのMottの魅力のキュレーションです。
この出版物はアルバムとしてデザインされており、16枚の本物の独裁者の紙幣には、それぞれの独裁者の蛮行の逸話や、彼らのカラフルな人生についてのユーモラスなメモが添えられたテキストが含まれています。
Mottがこれらの独裁者を紹介することで、これらの欠陥のある人物や過去の人間性との同一性についての対話が開かれます。

仮面、ドクロ、蝶、そしてティーンのテレビ。Klaas Rommelaere（クラース・ロムラーレ）のタペストリー、旗、その他のテキスタイル作品は、日常生活、インターネット、映画など、あらゆる場所から何百ものイメージが集まったものです。
ロムラーレは地元の映画館の会員になっており、仕事をしていない時は一日中ワイドスクリーンの前にいるといいます。

ロムラーレの作品は、美術館のキャビネットの中にあるような伝統的な民族のタペストリーを思い起こさせます。
彼がこのような表現をするようになったのは、その無数の色彩とテキスタイルという素材が大きく貢献しているからです。
ロムラーレはベルギーのヘントでファッションの学生として卒業し、ヘンリック・ヴィブスコフやラフ・シモンズでインターンシップを経験しました。しかし、ファッションビジネスは彼には向いていなかったようです。

民族学者が丹精込めて収集した古い写真を切り離し、Johanna Calle（ジョアンナ・カーレ）は「写真のドローイング」と呼んでいます。風景から楽譜が生まれ、顔から多面体が生まれ、一連の航空写真からは原生林の木々のシルエットがどのようにして上昇していくのかがわかります。

Ruth Van Beek（ルース・ファン・ビーク）は、写真の視覚的なコードを用いて、たとえその物体が特定できない場合でも、描かれた物体が信じられないほどの希少性や重要性を持つことを見る者に確信させるように導きます。
発見された写真素材の膨大なアーカイブから、彼女は常に変化する方法で画像を配置しています。
1950年代、60年代、70年代の専門書や雑誌を中心に、盆栽の手入れ、サボテンの手入れ、日本の生け花の芸術などを題材にした、奇妙で遊び心のあるコラージュ作品を制作しています。


ヴァン・ビークは、水彩絵の具で描かれた紙の形を切り取ったり、折ったりしながら、イメージの間に不穏さやコミカルさを感じさせる視覚的なつながりを生み出しています。

アメリカのアーティスト Oscar Tuazon（オスカー・トゥアゾン）の作品集です。
「Live」 vol.1は、ルートヴィヒ美術館での新作彫刻作品の大規模な展覧会を中心に開催されます。ロサンゼルスにある作家の自宅の断片をルートヴィヒ美術館の建築物に移植して実物大で再現したこの展覧会は、2つの空間が崩壊し、奇妙な第3の空間を生み出しています。

「Live」 vol.2は、過去5年間の作家の型破りな制作を網羅した写真モノグラフです。
重要な個人の作品、展覧会、大規模なインスタレーションの記録と、作家自身がスタジオで制作した作品の記録を組み合わせ、現在進行形の作品を紹介するユニークな一冊となっています。

Nedko Solakov（ネッコ・ソラコフ）のアートは、多くの点で型にはまりません。
発見された素材を使ったり、絵を描いたり、壁に走り書きしたり、ビデオを使ったりと、まったく異なるメディアを使って作品を制作するソラコフは、秩序の原則やルールを逆手に取り、意図的に偶然や事故を作品に盛り込んでいます。
彼のユーモラスな作品の全貌を紹介するために、カタログ『All in Order, with Exceptions』は、4つの会場で1980年から2010年までに制作された作品の中から、各年の作品を1点ずつ選んで展示しているという変わった試みを行っています。

「SomeThings」というタイトルのシリーズで、Claus Goedicke（クラウス・ゲディケ）は、電球、バンドエイド、ハンマー、オードケルン、ブラッドバッグなどのありふれた日常のオブジェクトと、パン、バター、卵などの基本的な食材を撮影しています。

彼は、影を落とすことのない均一な照明の中で、対象物を正面から対称的に単独で提示しています。商業写真とは異なり、被写体は無傷ではなく新品のようには見えません。その澄んだ美しさは、その機能性と摩耗の痕跡から来ています。平らでオブジェクトに特化した背景は、しわくちゃになったり、傷がついたり、黄色く変色したりと、それ自体が消耗の兆しを見せています。

1955年、ウォーカーエヴァンスは、「Beauties of the Common Tool」というシリーズで、そのようなものから発せられる魅力を捉えました。「金物店は、優れた明確な『デザインされていない』フォルムに反応する人にとって、ある種のオフビートな博物館のショーである」

厳かな光を浴び、自信に満ちた力強い筆致で被写体を描き出すMichael Borremans（ミヒャエル・ボレマンス）は、芸術の歴史を対話の中に保ちながら、現代の象徴的な作品にコミットすることで、誘惑して逃さないような絵画を完成させています。
Jeffrey Groveによる魅力的なエッセイと豊富なカラープレートを備えた本書は、ボレマンのすべての絵画を最初に紹介したものであり、彼の重要な業績の標準的な調査を構成しています。

The Mott Collectionによるスキンへッズの印刷物、ジン、ポスターや映画などをJamie Andrew Reidのデザインでまとめた作品集です。当時のファッション、タトゥー、スキンズの女性たちなど、貴重な図版が満載で格好良いです。最高。