flotsam books（フロットサムブックス）

スイス生まれでニューヨーク在住のアーティスト、Olaf Breuning（オラフ・ブルーニング）が過去20年間に制作したドローイングのカタログです。
ロベルタ・スミスから「冗談を言う彫刻家」と評されたブルーニングは、ビデオ、彫刻、インスタレーション、フォト・コラージュなどで知られ、キッチュ、クリシェ、大衆文化を意図的に折衷的なプロセスや形態で探求しています。
本書で紹介するブルーニングのドローイングは、エルシー・ラーナーとブレット・リットマンのテキストとともに、彼の大きな活動の原動力となっているアイデアや関心事に最も集中的に取り組んでおり、彼の作品に興味深い視点を与えてくれるものです。

N.Y.在住のFUTURA（フューチュラ）は、60年代後半の第1期グラフィティシーンや、キース・へリング、ジャン・ミッシェル・バスキアの活動に影響を受けアートワークを開始。1979年よりアーティストネーム“FUTURA2000”の名で活動し、グラフィティ界では「SPRAYCAN WIZARD（スプレー缶の魔術師）」と呼ばれる程の地位を築いています。
本書にはFururaの作品と共に、現在まで携わってきた、イギリスの音楽レーベル「Mowax」、「UKLE」、「DJ KRUSH」「JAMS VS. NIGO.」「NIGO.」等のカバーアートの紹介、Futura自身の家族の写真等が収録されております。

ドイツのメーカーは世界的に高い評価を得ています。磁器、時計、オルガン、筆記用具など、職人技の原点は、中央ヨーロッパの伝統的な手工芸の訓練による非物質的な文化遺産にあります。

21世紀の今、デジタル化とグローバリゼーションがもたらす根本的な変化のプロセスは、一人ひとりが明確に感じています。メーカーもまた、グローバル市場を視野に入れ、未来のテクノロジーに依存し、アートワーク、すなわち「マニュファクチュール（製造業）4.0」のビジョンと工房の古典的自己イメージの融合に努め、自己改革しなければなりません。

こうして、人間的な側面を重視し、持続可能な生産に配慮した、グローバルにネットワーク化されたビジネスが誕生します。「Handmade in Germany」は、ドイツの最も重要なメーカーの実践と将来のコンセプトについての洞察を提供するものです。

Andy Warhol （アンディ・ウォーホル: 1928-1987）は、20世紀の象徴であり、ポップ・アート・ムーブメントの中心的人物です。彼はまた、大小さまざまなもの、平凡なもの、風変わりなものを執拗に収集するコレクターでもありました。
1994年以来、アンディ・ウォーホル美術館は、アンディ・ウォーホルが収集した数十万点にも及ぶ、奇妙で愉快で痛快な品々を研究・保護しています。その中から、本書で初めて調査・解説されたものが数多く含まれています。
ウォーホルとその奇想天外な世界の無数のファン、そしてこれまでウォーホルを理解できなかった人々にとって、本書は不可欠で忘れられない一冊となるはずです。

日本生まれのアーティスト、Leiko Ikemura （イケムラレイコ） は、30年以上ヨーロッパで暮らしています。絵画、ドローイング、彫刻など、常に人間存在の根幹に関わる問題を扱いながら、この二つの文化を探求することが彼女の芸術活動の特徴です。

本書では、物質的なもの、測定可能なものを超えて広がる空間、精神性と官能性の瞑想的な空間の描写を中心テーマとして、絵画、水彩画、彫刻など、多数の新作を制作しました。様々な表現媒体が互いに補完し合い、見る者に強い空間的効果をもたらします。鑑賞者は、もはや特定の文化形態に帰属させることのできない事象に引き込まれるのです。

Annelies Strba （アナリス・ストルバ）は、聖マリアを神の母としてではなく、自分の性を代表する理想的な存在として描いています。

このフォト・アーティストが描く女性像は、かつての宗教的な意図を抽象的な領域へと昇華させています。
デジタル技術を排除し、狂言回しのような色彩で、感情を投影するための舞台を整えたストルバは、超越的なものを排除し、母子関係の共感的なアクセントに集中しながら、マドンナを受け入れています。

ストルバは聖母を選ぶことで、痛みや喪失感を抱えた女性であると同時に、純粋さや慈愛に満ちた女性であることを表現しています。このような特徴は、もともと構図や表情に備わっていたものですが、作家はカラーフィルターや輪郭の除去によってそれらを曖昧にし、消滅していく人物は自らの光に身を任せています。

Amy Simon （エイミー・サイモン）は、ドローイングや写真、最近では大きな壁紙の制作など、さまざまな手法で作品を発表しています。
今回の写真は、直感的に制作されました。
ある暑い日の早朝、サイモンはあるアパートに入り、その部屋には建築物以上に自分にとって、また自分に関するものがあると感じた彼女は、そのインテリアを写真に収めました。中には内側から外側を撮影したものもあります。部屋は、空間や時間から切り離された、独自の世界となりました。

本書では、これらの写真のほかに、一連の新しいドローイングや、ヴェネチア・ビエンナーレに出展した壁紙も紹介されています。ダニエル・バーンバウムとエイミー・ベイカー・サンドバックによるエッセイは、彼女の作品の背景にあるものを照らし出しています。

日本のアーティスト Ueno Kosei （上野恒星）の作品集「When we saw it being there」です。
上野が過去に制作した作品や描き下ろしの新作、インスピレーションのもとになった自身が撮影した写真などが収録されています。

Joe Roberts（ジョー・ロバーツ）のペインティング、ドローイング、ミクストメディア作品は、宇宙的な意味でのトランスポート（伝達）です。
そこには、幼少期の象徴であるコミックの残骸や漫画のキャラクターが、カウンターカルチャーの参照点（占いボード、SFペーパーバック、UFO）や個人的なもの（日記的スケッチ、告白的旅行報告）の真剣な閃光とともに心地よく存在しています。
2015年以来初めて復刻された「LSD Worldpeace」は、ロバーツの初期のキャリアにおける並外れた創造性とスクラップな手法を記録しており、コラージュ、アクションフィギュア、ジオラマに加え、彼が非常に有名になったペインティングも収録されています。
Myla DalBesio と Matthew Ronay による紹介文を含む本書は、無限のビジョンに導かれ、自由にモードを行き来する想像力豊かなアーティストの産物です。

この本は、アテネのキクラデス博物館でのMarlene Dumas（マルレーネ・デュマス）の展覧会のための、同博物館のコレクションと対話するためのビジュアルスケッチブックです。
展覧会は延期されましたが、この出版はすでにデュマスのこの組み合わせに対する熱意と愛情から生まれました。
紀元前3000年から2000年にかけての謎めいたキクラデス諸島の古美術品は、デュマスの現代作品と同じように、時代を超えた言葉で私たちに語りかけてくるのです。