flotsam books（フロットサムブックス）

2021年12月、Kingsley Ifill（キングスレー・イフィル）と Danny Fox（ダニー・フォックス）は、イギリス諸島を縦断する旅に出かけました。この旅にはあらかじめ決められたルートはなく、直感と自己主導の探求に基づいて進み、目の前に広がるイギリスの風景を記録しました。

『Holy Island』は、イフィルによる写真とフォックスによる絵画を組み合わせた50点のコラボレーション作品から構成されています。この作品集は、彼らが共に過ごした時間を描くビジュアル旅行記であり、今日のイギリスを形作る田園と都市の交差点を探求したものです。

マスクは、カーニバルやアフリカの部族儀式、著名人の死者の顔を模したマスク、演劇やファッション、コスプレ、変装、そして保護を思い起こさせます。
これらは、私たちの文化的歴史の中で最も古く、最も物議を醸している対象の一つです。今日のアーティストたちは、単なる物としてのマスクを超えて、その社会的、文化的、政治的な意味にも関心を持っています。

この本は、2019年秋にアーガウ美術館（スイス）で開催された展覧会に合わせて出版され、現代アートにおけるマスクの登場を探求しています。
アーティストたちは常にマスクとその象徴性に魅了されてきました。著名なスイスおよび国際的なアーティストたちの作品と簡潔なテキストを通じて、本書はマスクに関するさまざまなアプローチを紹介しています。

オランダ人アーティスト Ansuya Blom（アンスヤ・ブロム）の作品は、経験における内なる世界の境界を探求しています。様々な媒体を通じて、彼女は自分自身、他者、外の世界と共に、人間性の複雑な関係を解き明かします。それは、皮膚や表面よりも深く掘り下げ、別のリアリティーを探求するための誘いです。
彼女のドローイング、コラージュ、絵画、映画に関しては、カテゴリーで考えるだけでは不十分です。Blom はこれに正面から反対しますが、鋭い感受性により、それらに帰属する言葉を不安定にし、彼女の作品をとらえどころのないものにしています。

「COSTRUZIONE DELL’UNIVERSO: Artists’ Magazines and Publications after Marcel Duchamp」は、マルセル・デュシャンの作品から始まり、1950年代から現在までのアーティストの雑誌と出版物を収集する研究プロジェクトです。
この分野は芸術的な表現の一環として新聞や雑誌を探求しており、しばしば見過ごされがちな制作活動を扱います。セレクションには、アーティストが表紙、内部のページ、画像のシークエンスをデザインすることで、それぞれの出版物が独自性を持ちながらも複製可能な作品となる、貴重で特別なアイテムが含まれています。

これらの出版物は、多くの場合、オープンで集合的な容器となり、同じレイアウト内または異なる号にまたがって複数のアーティストを巻き込みます。タイトル「宇宙の構築」は、20世紀初頭のアヴァンギャルド運動の先駆的な役割を強調しており、1915年の「未来派の宇宙再構築」宣言を引用しています。この宣言は新聞のレイアウトに似た形式を持っていました。

1950年代以降、アーティストの間には、世界大戦の存在論的な重荷から解放され、ユートピア的なビジョンが広がりました。彼らは、移動する建築物、オープンスペース、新しい言語、そして未来と宇宙への憧れを特徴とする新しい社会の創造を思い描いていました。

David Hockney（デイヴィッド・ホックニー）、生ける伝説として広く称賛される現代アーティストの中でも特に傑出した存在である彼の物語は、「情熱」に満ちています。見ることへの情熱、語ることへの情熱、そしてイメージへの情熱。しかし、それだけでなく、「人生」そのものへの情熱も加えるべきでしょう。

ホックニーのアートは、生きる喜びを祝福するものです。彼の作品すべてに共通しているのは、世界の中にいること、世界を見ること、その中を動き回ること、そして世界を愛することの意味を伝えるというテーマです。友人や家族を描いたときの繊細な優しさ、プールサイドの無邪気でのんびりした日々を描く遊び心、グランドキャニオンの壮大な風景を捉えた圧倒的な迫力──これらすべてが、彼のアートに息づいています。こうした感覚をアートで伝えるための絶え間ない探求は、この鮮やかで生き生きとした一冊を通して特に明確に浮かび上がっています。この本は、約50年にわたる彼の驚異的な創造性をたどるものです。

『Hockney’s Pictures』は、ホックニーの膨大な絵画、ドローイング、水彩画、版画、写真を体系的に振り返る初の決定版とも言える“回顧展”です。多くの未公開作を含む作品群は、ホックニー自身によって選ばれ、整理されています。そして、それらは、彼が生涯を通じて追求してきた「見ること」と「描くこと」の実験を物語っています。

20年以上にわたり、Raymond Pettibon（レイモンド・ペティボン）の絵は、その流動的なスタイルと若々しく型破りな考え方で、国際的な支持を得てきました。
彼の作品は、そのウィットと博学な奇抜さで高く評価されており、ボードレールからヘンリー・ジェイムズ、ミッキー・スピレインまで、さまざまな作家との親和性を示しており、特にスピレインの引用が数多く見られます。
この本は、1978 年から 1998 年にかけて制作されたアーティストブックのカタログ レゾネで、その多くは、現在では極めて希少で、アート界とアンダーグラウンド ミュージック界の両方で高く評価されています。

1990年代ニューヨークのファッションシーンから登場したSusan Cianciolo （スーザン・チャンチオロ）は、自身のブランド "RUN" でカルト的なファンを獲得しました。
2000年代初頭にファッション界を去って以来、チャンチオロは記憶と精神を掘り下げたアート作品で有名になりました。テキスタイル、絵画、描画、工芸の言語を自然界と融合させ、彼女は謙虚さと巨大さの両方を同時に呼び起こします。

このアーティストブックでチャンチオロは、彼女と家族にとって特に身近な、ラブウェル湖周辺の木々や土地、その他の緑豊かな地域への愛情を記録しています。

「GHOST TOWN」は、2008年から2023年までのOla Vasiljeva（オラ・ヴァシリエヴァ）の活動を初めて包括的に概観した作品で、アーティストの多面的な星座を通して（再）構成され（再）提示された断片、形状、思考を（再）収集しています。
展覧会、オーシャンズ・アカデミー・オブ・アーツ（OAOA、ヴァシリエヴァが2008年に設立したアート集団）によるプロジェクト、そして「ストレージ」という3つの絡み合ったセクションで構成されています。
後者はインデックス、アーカイブ、コレクションを融合したもので、インスタレーションから彫刻作品、ドローイングまで、アムステルダムを拠点とするアーティストの長年のプロジェクトで取り上げられた個別の要素の一部を再現しています。

Axel van der Kraan（アクセル・ファン・デル・クラーン）は、人間や文明に対して悲観的な見方を持っています。
彼は、権力や官僚主義、そして時には人々を助けるどころか抑圧するように見えるルーチンや規則の不条理さに魅了されています。彼にとって世界は「焦点の定まらない、馬鹿げた、目的のない戦場」のように見えるのです。
しかし彼の彫刻は、その構造や素材の使い方において非常に創造的です。不要になった家電製品や機械から、新たで認識可能なイメージが生み出されます。ゴミ箱は兵士の体となり、シンクは戦車の砲塔に変わります。
この本では、1985年以降の彼の作品群を検証しており、アッサンブラージュ、こすり出し、木版画などを紹介しています。

Bastienne Kramer（バスティエンヌ・クラマー）の作品は、ポップカルチャーから生まれたクリシェ（決まり文句、ありきたりな表現）に根ざしたテーマを研究するために、彫刻とインスタレーションの領域を探求しています。
彼女は、古代と現代、慣習と非慣習、エリート主義と平凡を橋渡しする巧妙なつながりを描くことでこれを行います。
このオランダ人アーティストは、馴染みのある物と馴染みのない物を型破りな方法で組み合わせ、完全に相反する、時には実用的な物を生み出します。彼女の作品は形と形が独特ですが、その介入は社会の文化的および政治的な現象について言及しています。