flotsam books（フロットサムブックス）

『Ishimoto. Lines and bodies』では、シカゴのニューバウハウスの形式的なアプローチと日本の美学の真髄を組み合わせた石元泰博（1921-2012）の象徴的なシリーズが紹介されています。
このモノグラフにより、生前ほとんど出版されなかった写真家の作品を再発見することができます。
石元は、そのビジョンの独自性と、時には抽象化にまで至ったモチーフの作品によって、アート界の重要人物となり、1960年代の日本の写真界を揺るがしました。

同業者から広くアウトサイダーと見なされていた石元は、当時の日本の写真界に形式主義的な視点をもたらしました。
街の風景、ハロウィンの仮装をした子供たちのポートレート、看板、労働者階級の地区の建物のファサードなど、彼の写真は、彼のフレーミングの熟練度と、質感やモチーフに対する繊細な認識を証明しています。

「Rotting from Within」は、Abdulhamid Kircher（アブドゥルハミド・キルヒャー）が父親の歴史を掘り起こした際に語った感情、つまり、家族の家長たちの世代間トラウマの発見と、その後に受け継がれたものの中からアーティストとしての自分を発見するという作業を指します。
17歳のとき、麻薬販売と殺人未遂で投獄されていた父親と再会したことから始まったキルヒャーの自発的な写真への旅は、父親の過去を振り返ることと重なりました。
ベルリンで生まれ、幼い頃に米国に逃げたキルヒャーにとって、カメラは父親やトルコの文化と伝統との親密さと親しみへの入り口となり、写真という媒体とその可能性との深い関係を育みました。

「Rotting from Within」は、アイデンティティ、暴力の賛美、男らしさの神話、そして写真が世界を理解し対処するためのメカニズムを提供するベールといった心理的な問題に深く入り込むにつれて、非常に個人的な自伝的な糸を写真の力強さと率直さで織り成します。
キルヒャーの糸状の視覚的な声は、内なる独白とドキュメンタリーへの微妙なアプローチの交差点で語ります。
ポートレート、観察、アーカイブ文書、日記などの複雑なアサンブラージュを通して、「Rotting from Within」には視覚的な関連性の網が含まれており、その中でキルヒャーは、推測と現実の間の緊張、最も身近な人々でさえ本質的に知りえないこと、そして私たちが生まれる人生を選べない理由を捉えています。

Viviane Sassen（ヴィヴィアン・サッセン）のアフリカの日々を写したポラロイド写真集「Sketches」です。

アメリカの写真家 Tim Barber（ティム・バーバー）のサイアノタイプ作品集「New blues」です。

イギリスの写真家 Jonnie Craig（ジョニー・クレイグ）によるロンドンの夜の中を走り回る友人たち、躍動感と悪戯心の溢れる写真集。

南アフリカの写真家Pieter Hugo（ピーター・ヒューゴ）は、アフリカのあるコミュニティに有毒廃棄物が及ぼす壊滅的な影響を明らかにしています。
ヒューゴは、これまでの写真集で、人間、動物、社会、風景の揺るぎない印象的なポートレートを提供し、衝撃と不安を与えると同時に、私たちの注意を喚起します。
『Permanent Error』 では、世界中から廃棄されたコンピューターの保管場所となっているガーナのゴミ捨て場を記録しています。
これらの忘れがたい写真は、誤った政策、つまり何百万トンもの旧式のコンピューターを発展途上国に輸送することの真のコストを記録しています。
コンピューターは貴重な金属を抽出するために焼却され、事実上、その場所を有毒な荒れ地に変え、周囲数マイルの空気、土壌、地下水を汚染します。
これらの素晴らしいポートレートは、貧困に圧倒されている辺境のコミュニティの物語を語っていますが、ヒューゴが明らかにする非人間的な状況を通して、人間の強さと回復力が輝いています。

南アフリカの写真家Pieter Hugo（ピーター・ヒューゴ）は、前例のない自由の時代と、言語に絶する暴力の後に生まれたアフリカの世代について考察しています。
ピーター・ヒューゴは、特に故郷の大陸で撮影した、しばしば不安をかき立てるが印象的な写真で有名で、どんなに辛く不安なことでも真実を明らかにすることに情熱を傾ける写真家です。この本で、彼はレンズを、自分の顔も含め子供たちの顔に見られる和解、癒し、希望の写真に向けます。

『写真の本質』は学生だけではなく、写真に興味を持つあらゆる人に欠かせない入門書である。
スティーヴン・ショアーは写真界において先駆者的存在であり、影響力の大きな写真家である。また、撮影理論と実践の両面でも重要な役割を担っている。現在、ニューヨーク州アナンデール・オン・ハドソンのバード・カレッジで写真学部長を務めている。（本書より）

ナン・ゴールディンはプラダのキャンペーン写真を撮り、デヴィッド・ラシャペルはキャメルのタバコの広告を手掛け、ユルゲン・テラーは i-D、w、The Face でモデルを撮影してキャリアをスタートさせました。
芸術の世界の商業化が進み、ファッション写真の少なからぬ探求的な側面が生まれ、視覚的な参照領域が絶えず拡大する中、美的イメージと商業的圧力の間の論争は、おそらく今日ほど重要かつ複雑になったことはありません。
これらの緊張と重なりを研究するために、「Chic Clicks」は約40人の写真家を招き、フリーワークとファッション雑誌や広告キャンペーンから出版されたエディトリアルの両方を発表しました。
商業作品で有名な写真家は、個人的な探求的なプリントを提供し、美術の世界で名声を得た写真家は、その後ファッション企業や雑誌に雇われた作品を展示します。
付随するエッセイは、最先端のファッション雑誌から現代アート写真の分野まで、さまざまな観点からファッション写真にアプローチしています。

「A Geological Index Of The Landscape（風景の地質学的索引）」は、風景は表現を通じてのみ存在する発明であるというアンヌ・コークランの考えに触発されています。　
このシリーズは、感情と合理主義の間の緊張、つまり世界を自分のものにするためにスケールに合わせようとする熱狂的な欲求に基づいています。

世界とその風景を発見するという詩は、科学的調査のプロセスと対峙しています。風景を構成する物理的および無生物的要素を体系化することにより、これらのイメージに完全性の幻想を与えるのは、この類型的アプローチです。

タイトルは、写真家の百科事典的な空想が魅惑的であるのと同じくらい虚しいことを皮肉を込めて示唆しています。インデックス内の画像と説明の間には、不明瞭で無味乾燥な不条理があります。