flotsam books（フロットサムブックス）

「Hereafter Called: Subject」は、ヨーロッパの人々と場所を巡る視覚的なロードトリップです。
様々な人間関係の複雑さを探求する実験写真集です。
合計25の実験において、サミュエル・オッテは、どんな関係にも内在する、書かれたもの、話されたもの、そして言葉にならない構成物の価値をリサーチしています。
サミュエル・オッテは、ある女性を（彼女の許可を得て）彼女に知られていない状態で2年間尾行し、そしてまた、他のアーティストが自分を無制限かつ匿名で使用することを許し、マフィアの浸透したイタリアの村で人知れず暮らす。これらの構想はますます複雑になっていきました。

「The Rocket's Red Glare」は、ドイツの優れたロケット科学者 Wernher von Braun（ヴェルナー・フォン・ブラウン）の生涯を題材に、歴史が語られる選択的な方法を探ります。
一連の歴史文書、アーカイブ画像と現代画像、加工された写真は、ナチスドイツに始まり月面着陸で頂点に達する重要な出来事の二重の語り直しに挑戦しています。
Barbara Diener （バーバラ・ディーナー）の興味は、彼女自身の歴史と、第二次世界大戦を巡るドイツの複雑な遺産への考察から来ています。
彼女は全体像を提示するのではなく、物語に意図的に穴をあけ、物語が世代を超えてどのように受け継がれていくのか、そして事実がどのように歪められ、美化され、損なわれていくのかを観察します。

スイス生まれ、アムステルダム在住のアーティスト、Batia Suter（バティア・スーター）が、彫刻の基本をユーモラスかつ間接的に扱った最近のプロジェクトを紹介します。
本書は、果物、野菜、ヘッドフォンの保護包装材の複製と、収集された鎧のイメージで構成されています。化石化した現在の感覚は、イメージに対するアーティストの系統的なアプローチと、意図しない美に対する彼女の評価について、新たな視点を提供します。

「Nomad Archive」は、スペインの写真家、Alberto García-Alix（アルベルト・ガルシア・アリックス）の作品の第一弾です。
1975年から1981年にかけて撮影された初期の写真から、当時の彼の日常生活や周囲の環境を紹介しています。
彼の作品は、フランコ将軍の死、内戦後の集会、最初のLGBTQ権利デモなど、スペインの政治的、社会的、文化的混乱の歴史的瞬間も捉えています。
このアーカイブは、ガルシア＝アリックスの作品の新たな見方を提供し、彼の最も象徴的なイメージのいくつかを、新たな文脈と物語を提供する未公開写真と並べることで再解釈します。

ヴンダーカンマー（様々な珍品を集めた博物陳列室）と、その珍しいもの、折衷的なもの、難解なものに対する特別な概念に触発され、Oriane Thomasson （オリアーヌ・トマソン）は、科学と芸術、自然と人工が一体となって新たなフィクションを生み出す「Paradis」を創作しました。
このコレクションは、彼女がアジアを旅した際に撮影した写真から、植物学的、鉱物学的な図版まで、写真作品とアーカイブ資料のモザイクで構成されています。
自然という概念と、それに由来する西洋社会の神話に疑問を投げかけており、イメージの中に織り込まれた架空のテキストは、神秘的で未知の土地へと導きます。
この作品は、私たちに想像させ、夢見させ、新たな物語を構築させる自然の能力を再発見するよう誘うものです。

日本のフォトグラファー Taka Mayumiの4th 写真集「Brainfog」です。
ヌードを中心に風景を織り込みながら進むシークエンスは、まるでエロスとタナトスを行き来しながら進む白昼夢のようです。確かに現実にあった風景や身体が、多重露光や淡い色彩に覆われて幻のような光景に変容します。

スタイリスト 小山田孝司（Koji Oyamada）の作品集「なにがみてるゆめ」です。
2020年から2023年にかけて小山田は友人、知人たちに声を掛けて、彼らの生活する場所や小山田と共に訪れた場所で、当日着ているコーディネイトに小山田の集めてきた洋服やアクセサリーを一点足してポートレートを作成しました。
写真家は小山田と親交のある23人が担当しています。
それはポートレートであり、ファッションスナップであり、ドキュメントでもあるようで、小山田の作品であり、写真家の作品でもあり、被写体一人一人の作品でもあり、色々な境界が穏やかに混ざり合っているような心地よいカオスのような作品集です。

Emiliano Zuniiga Hernandez.（エミリアーノ・ズニガ・エルナンデス）によるコスタリカの山間部での家庭生活とその周辺環境を描いた写真集です。

「私たちはヒーリング・センターを経営していました。それは人々が苦悩から解放され、休息するための庭です。それがやがて解散したとき、私は傷つきました。かつてヒーラーだった私は、怖くて助けを求めることができなかった。私たちが住んでいた山間部では、人々はしばしば、このようなパラダイスに住める私はなんて幸運なのだろうと叫んだ。それは罪悪感と羞恥心の洞窟となった。ナツコと動物たちは、私の憂鬱の隙間から差し込む小さな光であり、私が切望していた自由の象徴だった。彼らを通して私は出口を掘り、この世界における私たちの本当の姿の美しさに再び出会うことができた。私は再び自分の役割を見つけることができた。」Emiliano Zuniiga Hernandez.

イギリスのアーティスト David Hockney（デイヴィッド・ホックニー）の写真集「CAMERAWORKS」です。

ニュージーランドのアーティスト Grant Beran （グラン・ベラン）のzine「Forever Now」です。
このzineは同名の展示に際して制作されたもので、15歳の時に撮った写真から、53歳の時に撮った写真まで様々なシーンが撮られています。
「Forever Now 」と名付けられたこのzineは、それぞれの写真が（それがどんなに昔に撮られたものであっても）、過去から現在に至る一瞬を永遠に捉えているからです。