flotsam books（フロットサムブックス）

写真家 Trent Davis Bailey（トレント・デイヴィス・ベイリー）が「The North Fork」で目を向けたのは、コロラド州西部の人里離れた川の渓谷です。
自身もコロラド州出身のこの芸術家は、故郷の広大な州、豊かな農業の歴史、そしてウエスタン・スロープに生息するさまざまなキャラクターに惹かれました。
彼は特に、そこに住んでいた叔父、叔母、いとこなどの大家族について、20年近く会っていなかったことに興味を持っていました。彼は子供時代の彼らとの思い出について次のように述べています。
「彼らは山のふもとにある大きなテントに住んでいました。 彼らの裏庭には 3 つの池と、自分たちで食べ物を育てる庭がありました。 その先にはスクラブオークやジュニパーの木々が茂る森があり、そこにはコヨーテ、ツキノワグマ、ピューマが潜んでいるのではないかと想像しました。」
ベイリーはいとこの世界に驚嘆していましたが、父親と叔父の間で不和があったため、子供の頃にノース・フォークを訪れたのは数回だけでした。
2011 年にベイリーは渓谷に戻り、その後7年間、写真を使ってノース フォークとその住民の経験をつなぎ合わせました。
やがて、彼は大家族を見つけただけでなく、彼らとの絆を取り戻しながら、地元コミュニティの中で自分の居場所を築いていきました。
そしてある運命的な日、キノコを採っているときに、2人の子供を持つ現在の妻と出会いました。
この本に掲載されている写真は全体として、そのような背景がありますが、それをはるかに超えて、場所、食べ物、親族関係、そして不思議な出来事を連想させます。

Creative Growth Art Centerのアーティスト Alice Wong（アリス・ウォン）の作品集「Painting Photographs」です。
ウォンはヴィンテージの写真を大胆に解釈し、家族アルバムのようなキッチュな写真や、ありふれた植物や風景の写真に新たな命を吹き込み、鮮やかな抽象の領域へと変貌させています。
ペイント・マーカーを使い、流用したイメージの形式的な特質を強調したり曖昧にしたりするウォンの手つきは、それぞれの根底にあるイメージにエネルギーを与え、見る者の目を再調整し、静止した構図への評価を呼び起こします。
流れるようなマークメイキングとカラーブロッキングへの印象的なアプローチにより、ウォンの工芸は写真プロセスと融合し、過去を感じさせると同時に完全に現代的な印象を与える作品を生み出します。

Carolyn Drake（キャロリン・ドレイク）による、アメリカ文化における男らしさの神話と彼女の関係を探る写真集「Men Untitled」です。
ミシシッピ州の田舎町に住む女性たちのコミュニティを描いた破壊的な作品『Knit Club』（2012-2020年）に続き、ドレイクは『Men Untitled』で視線を移します。
前作とは対照的に、彼女の被写体はその地理から根こそぎ切り離されています。ほとんどすべての場所の痕跡を消し去り、ドレイクはカメラの前にいる男性の身体を直接見るように読者を促します。

『Men Untitled』に登場する被写体は、ヌードか半裸で、ぎこちないポーズで固まっており、胴体がねじれたり曲がったり、後ろ向きになったり、家具を身につけたり、逆さまに吊るされたりもしていますが、彼らはまた、アーティストとくつろいでいるようにも見えます。

ポートレートには静物画も含まれており、男性の生殖器の解剖模型がベルベットの椅子に座っていたり、焼けた釘が立っていたり、強大な蛇が空の窓枠に巻きついていたりします。
表面上は遊び心に溢れていますが、作品の根底にある軽快さは、作品の動機となった一連の個人的体験を語るドレイクのエピローグで浮き彫りになります。

アメリカのアーティスト Carla Williams（カーラ・ウィリアムズ）の写真集「Tender」です。
『Tender』のイメージは1984年から1999年にかけて個人的に制作され、30年以上もの間、そのほとんどを彼女自身の胸に秘めてきました。『Tender』は、若く、クィアであり、黒人である女性が、自身の可能性の領域を親密に探求する、完全で個人的な自画像です。

プリンストン大学で写真を学んでいた18歳のとき、ウィリアムズは『Tender』に収められたモノクロとカラーのポートレイトを制作し、彼女自身のイメージの写真を作り始めました。
彼女の頭の中は、このメディアが男性主導で歩んできた歴史の正統的なイメージと、若い頃に父親のポルノグラフィーのコレクションから発見したポーズをとる女性たちで等しく満たされていました。
ウィリアムズは自分の身体を使って、彼女が見たこともないポートレートを作り上げました。
ポラロイド35mmと4x5タイプ55のインスタントフィルムで撮影されたこれらの作品は、ほぼ一瞬で出来上がるという利点を生かし、彼女自身の表情やフォルムと絶えず戯れています。
挑発的、遊び心、官能的、優しさ、力強さ、意地悪さ、華やかさ、寂しさ、可笑しさ......。『Tender』の写真は、大人になりかけの若いアーティストの生のエネルギーと、急成長する彼女自身の性的アイデンティティに火をつけています。

戦後写真界で最も独創的な人物の一人、早熟で才気あふれるアメリカ人、Francesca Woodman（フランチェスカ・ウッドマン）に捧げられた包括的なモノグラフ。
美術史家クリス・タウンゼントによる新たな研究に基づく彼女のライフワークのレビュー、父ジョージ・ウッドマンによるフランチェスカの日記からの抜粋とファクシミリ・ページも収録。

Thomas Boivin（トマ・ボワヴァン）の写真小説は、パリのボヒミアン地区、メニルモンタンのコーヒー、ショップ、アパートを巡る、親密で蛇行した旅へと私たちを誘います。
パリの北東部、ベルヴィルとペール・ラシェーズ墓地の間に位置するメニルモンタンは、かつてはパリの工業の中心地でしたが、現在はボヘミアン・コミュニティで知られています。
ボワヴァンの精巧なアナログモノクロ写真は、豊かなオープン・トリトーンで印刷され、セーヌ河岸で売られている無数の古典的なフランス小説にインスパイアされたエレガントなデザインで表現されています。

「2009 年の秋に、私はメニルモンタンに引っ越しました。写真を最近知り、そこに到着すると、私の人生が完全に変わりました。数か月後、写真家になることを決め、商業写真家の夜の仕事を見つけ、数百本のフィルムを買いました。私は夜間に働き、昼間に歩き始め、次の10年間、私の生活のリズムが決まりました。

最近、自分のアーカイブを調べてみると、これまで保存され、考慮されずに放置されていた写真がたくさん見つかりました。 そして一つ一つ、それらを再発見しました。 ここには、静物画、街路の生活、友人や見知らぬ人などがここに集まり、ここ数年の個人的な思い出を呼び起こします。 しかし、それでも、それらが私だけの感情ではなく、明らかにパリらしい感情を伝え、大人になってからの最初の数年間をパリの北東で過ごした人の思い出を反映できることを願っています。」
- トマ・ボワヴァン

Bill Henson（ビル・ヘンソン）の映画的な写真集『The Liquid Night』のイメージは、ヘンソンが1989年にニューヨークで35mmカラーネガフィルムで撮影した作品に由来します。
万華鏡のような夜想曲が、熱狂的なネオンに照らされた懐かしいアメリカの街角を旅します。

港湾コンテナ侵入のためのコカイン・コレクター・ガイド。

「BRICK COLLECTORS」は、オランダとベルギーの港のコンテナ・ターミナルに侵入する''コカイン・コレクター''が使用する40の商品を紹介した詳細なガイドです。
オランダの多民族傭兵たちは港湾ターミナルに潜入し、麻薬王やコカイン販売業者の指示のもと、目的のコンテナを探し出し、指定されたコカイン・レンガを回収します。

2023年には、ロッテルダムとフリッシンゲンの港で200人以上のコカイン収集者が逮捕され、最年少は14歳でした。

ロサンゼルスを拠点とする著名なコンセプチュアル・フォトグラファー、James Welling（ジェームス・ウェリング）による、印象的でカラフルなロールシャッハテストのような花のフォトグラムが掲載されています。
このシリーズでは、ウェリングは南カリフォルニアの一般的な植物の花を 8x10 フィルムのシート上に配置し、光にさらしました。

世界を急速に変えつつある科学の進歩に魅了された Berenice Abbott（ベレニス・アボット）は、写真を「科学のフレンドリーな通訳」として利用するようになりました。
『Documenting Science』では、1939 年に科学的イメージを使ったアボットの初期の実験から始まり、科学に基づいた商業的課題を継続し、1958 年に物理学の教科書の新しいシリーズを図解した MIT の物理科学研究プロジェクトで最高潮に達しました。
この素晴らしい一連の作品は、間違いなくアボットの最も革新的で創造的なものであり、美しく有益なこれらのイメージは、多くの場合、基本的な科学原理を示しています。
これらは科学と芸術の融合であり、何千人もの学生が物理学の複雑な原理を視覚化する方法を根本的に変えました。