flotsam books（フロットサムブックス）

30年前、Mark Power（マーク・パワー）はイギリス諸島沿岸の31の海域を撮影し、海運予報を視覚的に表現する旅に出ました。
この予報は100年近くにわたり、BBCラジオで1日4回放送され、イギリス国民の意識に浸透しています。
パワーの著書『The Shipping Forecast』は1996年に出版され、今回新たに編集、改訂され、大幅に増補された版には、未発表の写真が100点以上含まれています。

米国主導のイラク侵攻から20周年に合わせ出版された本書『Glad Tidings of Benevolence』には、この時期とその後数年間にイラクで撮影されたMoises Saman（モイセス・サマン）の写真が、戦争に関する文書や文章とともにまとめられています。 戦争に関する競合する物語の構築をイメージと言語を通じて探求するこの本は、サマンのイラク全土での20年にわたる研究の集大成となっています。

Shelby Lee Adams（シェルビー・リー・アダムス）は40年以上にわたり、毎年夏に写真を撮るためにケンタッキー州東部の山々を訪れました。
現在70代となったアダムスは、1974年から2010年の間に撮影された未公開画像のアーカイブに戻ってきました。彼の目的は、生きている間にプリントしなければ、写真が決して世に出なくなるのではないかと懸念し、これまで見過ごされてきた可能性のある写真をプリントすることでした。
これらの未公開写真のうち90枚近くが、彼の故郷の文化と人々を描いた本書『From the Heads of the Hollers』に収録されています。

Publishing b
出版を表現のひとつと捉え、tabloid a のメンバーが2021年に立ち上げた出版レーベル

TYO13、バナナチップス、電話ボックス、Pekorosu、ビールの空き缶、鎗ヶ崎交差点、野沢通り、sugar free、hand rolled ciger、XCR、365、SLOW TIME...

この本には、アーティストによって選択され、小さなフォーマットで最初から考案された一連の作品がまとめられています。
1970年代初頭から今日までの時系列順に、美術史に対する彼の情熱と絵画に関する幅広い知識を備えたJeff Wall（ジェフ・ウォール）のアプローチの鋭さと正確さがさらによくわかります。
1970年代初頭の写真とテキストのエッセイ『風景マニュアル』では、「放浪」というアプローチで視点を交互に描き、ライトボックス上で主題を注意深く構成した対角構図（1993年）と、より親密なテーマを紙に印刷した胴体（1997年）で描きました。

スウェーデン人の写真家 Simon Johansson（サイモン・ヨハンソン）は、本書の中で、デビュー作『Across the Bridge』（2016）の基礎となったスウェーデンのエーランド島と同じ地域に戻ります。
今も昔も、これは単なる日常の観察の物語ではありません。やり残したことをまとめて本を閉じる時が来ました。

『No Man’s Land』は、スウェーデンのエーランド島にある小さな村に住む人々の密接な関係を描いた作品です。
ここでは、農民がアーティストコミューンと共存しており、彼らの生活と仕事は絡み合っています。
農家はアートプロジェクトに参加し、アーティストは農業を手伝います。
サイモン・ヨハンソンは長年そこに住んでいたので、村人たちのことをよく知っています。 彼はダイナミクスを間近で見てきました。

「村の日常生活を描くことで、他者にとって何かを意味する、つまり文脈の一部でありたいという共通の野心を表現しています」とヨハンソンは言います。
「このプロジェクトの出発点は、その文脈を奪われたときの私自身の経験だ。人間関係の終わりは、感情的なトラウマとなった。村での生活がどのように崩れ去り、どのように愛着のある場所を後にしたかを描いているんだ。」

「Junte（ヤンテ）」とは、スカンジナビア人なら誰でも知っています。
「ヤンテの掟」はデンマークとノルウェーの作家アクセル・サンデモーセの小説『En flyktning krysser sitt spor』（1933年初版、1955年改版）に挿入される架空の戒律のことです。
小説の中の「ヤンテ」は、ヤンテの掟が人々がお互いを、そしてそれによって自分自身を抑圧する力を表現した小さな町です。
例えば、
自分がひとかどの人物であると思ってはいけない
自分が我々と同等であると思ってはいけない
自分が我々より賢明と思ってはいけない
自分が我々より優れているという想像を起こしてはいけない
など、モーゼの十戒になぞらえた平等主義を志向する標語として10箇条を処世訓として紹介しています。
サンデモーセ の「ヤンテ」のモデルは、デンマークのニュークビング モルスの町です。
この本に掲載されているイメージは、2017年の夏にそこで撮影されたものです。
「ヤンテの掟」は、スカンジナビア人が何者であるかについて何かを語っているのだろうか?「ヤンテの掟」をフィルムに収めることはできるでしょうか?
それがクヌート・エギル・ワンが知りたかったことです。

Pouria Khojastehpay（プーリア・コジャステハペイ）の出版レーベル 550BC によってzine3部作として出版された「FAVELA NARCO PETS」はこの度ハードカバー版として一冊にまとめられました。
本書のアイデアは2020年に出版された「FAVELA MAFIA」から派生し、リオデジャネイロの悪名高い犯罪グループ、特にコマンド・ヴェルメーリョ（CV）とテルセイロ・コマンド・プロ（TCP）の、より軽快で愉快な側面に光を当てることを意図していました。

これらの犯罪グループは主に縄張りをめぐって互いに争ったり、麻薬密売、武器密売、保護ゆすりなどの反社会的な事業を生業にしていることで知られていますが、珍しい外来動物の取引にも時折関与しており、彼らの慣例的な活動と交差していることを認識することが重要です。
時折、CV および TCP に関連するメンバーは珍しい動物を入手し、犯罪サークル内の象徴的なトロフィーや貴重な資源としてそれらを使用します。

アメリカ人フォトグラファー John Gossage（ジョン・ゴセージ）の作品集。本書は作車が1985年にサウジアラビア王国の王子にゲストとして呼ばれ、1ヶ月の滞在期間中に撮影した写真をまとめた一冊。

「君は時々家から離れた別の場所に行くことができる。そこで撮った写真は、そこに在ったもの、出会った人々について君に教えてくれるものでなければいけない。この本の場合は、それが約30年かかった。」

本書の写真は、ここではない「別の場所」の始まりについて物語っているようにも見える。

Phaidonから出版された写真集シリーズ「55」より、最も先駆的な写真家5人をセレクトした5冊セット「5 Pioneers of Photography」です。