flotsam books（フロットサムブックス）

ハッセルブラッド賞を受賞したメキシコ人写真家 Graciela Iturbide（グラシエラ・イトゥルビーデ）は、ドキュメンタリーおよびアート写真の分野で卓越したキャリアを持ち、メキシコの生活と文化の本質を詩的かつ深遠に捉えることで知られています。
アルフォンソ・モラレスによる魅力的なナラティブを通じて、イトゥルビーデがロサンゼルスのイーストサイドに住むラティーノ系ストリートギャング「WHITE FANCE」の生活を捉えることに対する魅了について探ります。このコミュニティの複雑さを探求し、アイデンティティと移民に関する強力な反映を提供します。
「White Fence 」は、イトゥルビーデの旅を通じた比類のない視覚的な旅を提供し、彼女のアーカイブから慎重に復元された未公開の画像、歴史をよりよく理解し、知識を広げるためのアイコンやドキュメントを伴います。

Jan Hendrix（ヤン・ヘンドリックス）のグラフィックの旅を半世紀にわたり解き明かす『ATLAS』は、地図と座標の豊かなタペストリーを提供します。

エステラ・デ・ディエゴ、パトリシア・スローン、オリヴィエ・デブロワズなどの著名な同僚によるエッセイを収録した『ATLAS』は、ヘンドリックスの芸術を紹介するだけでなく、彼のキャリアにおける影響力のある声からの深い洞察を提供し、視覚的な物語に深みと文脈を加えます。

オランダでの反抗的な始まりから、デュッセルドルフでの影響力のあるアーティストとの出会い、メキシコでのフランシスコ・トレドやギュンター・ガーゾと共に行ったコラボレーション、そして「Bitacora」や「Script」に記録された世界的な芸術探求まで、ヘンドリックスの芸術的進化と世界的な旅を追跡します。

『I Imagined It Empty（空っぽだと想像した）』は、人生、喪失、そして我々が住む場所に築く永続的なつながりを深く感動的かつ内省的に探求する作品です。

この本は、著者の個人的な体験と、彼女の母親の最後の日々を写した写真からインスピレーションを受けた感情的な旅へと読者を誘います。
詩的で懐かしいイメージを通して、住む場所がそこで生きた人々の霊を宿し、物理的な存在を超えた記憶で満たされていることを微妙に伝えます。

スペインのアーティストChristina de Middel（クリスティーナ・デ・ミデル）は見る人の内省を促すようなイメージを作り出しています。
メキシコを通る移民ルートに関連する現象を調査した彼女の写真エッセイ「Journey to the Center」は、ジュール・ヴェルヌの有名な小説「地底旅行」に触発された雰囲気と象徴性を持っています。

ストレートなドキュメンタリー写真と構築されたイメージやアーカイブ資料を組み合わせた言語により、物語は多層的になります。
中央アメリカを通る移民ルートは、英雄的で大胆な旅として描かれています。この冒険の舞台であるメキシコは、魅力的で極端な国として紹介されています。

Toni Catany（トニ・カタニー）（1942-2013）の『CERAMIQUES DE MIQUEL BARCELO（ミゲル・バルセロの陶器）』は、2013年10月に急逝した写真家の未発表の書籍として初めて発行されるものです。
カタニーとアントニ・ガラウによってデザインされたこの本は、ミケル・バルセロの招待を受けて撮影した一連の写真を紹介しています。カタニーは2010年12月から2011年1月にかけて、バルセロのタイル工房兼スタジオがあるビラフランカ・デ・ボナニー（マヨルカ島）で自由に撮影を行いました。

カタニーの芸術は、彼がそれを他人の芸術を見せるために使うことで、その複雑さをすべて理解することができます。
したがって、カタニーが目の前に、生命力、暗黒、神秘（カタニーの美学のキーワードの 1 つ）に満ちたバルセロの素晴らしい陶芸作品を持っていたとしても、彼の視覚的な提案は、植木鉢や静物画、転写されたポラロイドのほのめかされた質感のいずれでもありませんでした。
バルセロの挑戦に対する彼の回答は、最後のヴェネツィアと、この作品の記録が刻まれている創作シリーズである世俗祭壇のダーク マターと関係があります。
バルセロの作品に対するカタニーの独自のビジョンの創造において、私たちは 2 つの自立した自由な芸術表現の間の世俗的な交わりの最良の部分を見出します。

記憶は本質的に穴だらけで複雑であり、追悼も同様です。思い出や喪失に対する私たちの対応は、個人的、家族的、そして共同体的な範囲に及びます。
会話、イメージ、場所の経験ごとに、それらは変化し、再形成されます。

ロンドンを拠点とするオーストラリア人アーティスト、Georgia Metaxas（ジョージア・メタクサス）のデビュー作『Mnemosyne Grove』は、この領域を非常に繊細かつ詩的に横断しています。
オリーブの木を中心モチーフとして、このプロジェクトは土地、家族のアーカイブ、物語のつながりを通して家族の系譜と悲劇を探り、写真が複数の個人の歴史、特に移住、避難、喪失、帰還のつながりを提供する能力について考察しています。

北カリフォルニアの人里離れたメンドシノ海岸から少し内陸に入ったところにある、セコイアの森にひっそりと佇むサーモンクリークファームは、もともと1970年代初頭にカウンターカルチャーの共同体として設立されました。
現在では、アーティストやその他の人々に開かれた、一種の生きたアートプロジェクトとして存在しています。
ジョージ・フロイドの殺害後、現在の管理者は、期待も費用も義務もない、BIPOC アーティストのための聖域として、ファームのキャビンの 1 つを提供しました。
この文脈から生まれたLenard Smith （レナード・スミス）の『Refuge』は、アーティストが自由に生活し、考え、作り、遊ぶための空間を与えられることについての作品です。安全性、そしてそれがもたらす内省、厳粛さ、反省、創造性の豊かさについてです。

心理的な風景写真で高い評価を得ている Awoiska van der Molen（アヴォイスカ・ヴァン・デル・モーレン）が、人の痕跡が残る密集した環境を白黒で控えめに撮影した作品集。
彼女は、日本の夕闇の中で照明がついた窓に焦点を当てています。これらの窓は、撮影者（または観察者）と世界、心理的な内的世界と外的世界との間のスクリーンとして機能していると言えます。
窓を通して、私たちは窓の向こうの生活を垣間見ることができるが、実質的な接触はない。窓は、安全や仲間を求める気持ちを遮断すると同時に、それらを垣間見る役割も果たしています。
窓は、つながりへの憧れと、距離感の快適さを同時に表しており、この意味で、窓は私たちのほとんどが多かれ少なかれ受け入れなければならない実存的な孤独を象徴しています。

アメリカ人フォトグラファーの Valerie Phillips（ヴァレリー・フィリップス）が1991年から1992年にかけての20ヶ月に渡り、イギリスのバンド、マニック・ストリート・プリーチャーズを撮った写真集。本書には、それぞれがまだキャリアをスタートさせたばかりの瑞々しく激しいエネルギーが感じられる、今となっては貴重な写真の数々が収められています。

Agnieszka Sosnowska（アグニエシュカ・ソスノフスカ）のデビュー作『For』は、アイスランド東部の辺境にある彼女の生活とコミュニティを描いた親密なポートレートです。
ソスノフスカはポーランドで生まれ、ボストンで育ちました。二つの国と異なる文化的アイデンティティの間で成長する中で、彼女は若い頃、完全にポーランド人でもアメリカ人でもないと感じていました。
大人になってからアイスランドに移住し、初めて本当に自分が属する場所を見つけました。ここで、彼女は夫と共に農場で静かな生活を送り、田舎の小中学校で教師として働いています。
この緊密な世界で、彼女は大型ビューカメラを使って、風景と人々を優しさと揺るぎない献身で撮影します。厳しい自然と北欧の美しい風景に囲まれた『For』は、感謝と愛の本であり、人生の季節を通して見つけた家と選ばれた家族の物語です。