flotsam books（フロットサムブックス）

剣持加津夫（Kazuo Kenmochi）の写真集「魔薬 : フォート・ドキュメント」です。魔薬のもたらす社会禍は想像以上のものがある。その現実を告発し、社会に訴えることは、カメラを持つ写真家の仕事のひとつである。という自負から、私は過去一年有余にわたって、魔薬事犯と取組み、その取材・制作に没頭した。（本書より）

「パンチラの帝王」通称「マシンガンの教」と呼ばれ、三十数年、ナンパに明け暮れたプロカメラマン佐々木教（Kyo Sasaki）の自費出版写真集「鬼（O-NI）」です。

林文浩編集によるオムニバス写真集「slang vol.1 from tokyo」です。吉永マサユキ,鈴木親,佐内正史等が参加しています。

清野賀子（Yoshiko Seino）のファースト写真集「The Sign of Life」です。『THE SIGN OF LIFE』に収録された写真は、千葉、茨城、青森、愛媛、高知など、すべて日本国内で撮影されています。にもかかわらず、ここには日本の風景として類型化しているような写真は一点もありません。普段私たちが繰り返し目にする、絵葉書的な日本の風景写真は、残念ながら、決して現代を代弁はせず、21世紀を生きる私たちにフィットする感覚からはほど遠いものです。しかしなぜか、人影もなく、一見何の変哲もない静謐な清野賀子の写真には、私たちが共有できる現代の感覚が記録されています。彼女が本書で提示した60の場所は、それぞれに日本のどこかで見たことのある、けれどもあらためてその魅力について思考されることのなかった場所と言えるでしょう。

岡部桃（Momo Okabe）の写真集「Dildo」です。繊細で極めてパーソナルな視点で撮られた独特の色彩の写真がまるで少し前の過去の秘密のアルバムのような美しい写真集。そっと、秘密を覗き見るようにじっくり見たい写真集です。

中平卓馬（Takuma Nakahira）の写真集「サーキュレーション : 日付、場所、行為」です。1971年、パリ。世界各国から若い芸術家たちが参加したビエンナーレを舞台に、中平卓馬は「表現とは何か」を問う実験的なプロジェクトを敢行する。「日付」と「場所」に限定された現実を無差別に記録し、ただちに再びそれを現実へと「循環」させるその試みは、自身の写真の方法論を初めて具現化するものだった。

清野賀子（Yoshiko Seino）の写真集「至るところで　心を集めよ　立っていよ」です。

中平卓馬（Takuma Nakahira）の写真集「来たるべき言葉のために」の復刻版です。
1970年に刊行された『来たるべき言葉のために』は、1960年代後半から70年代にかけて、従来の映像美学を覆すラディカルな作品によって日本の現代写真に大きな転換をもたらした写真家、中平卓馬の初の写真集として、写真史にその名を残しています。けれども、刊行から40年を経て同書の入手は困難となり、掲載作品のごく一部が繰り返し紹介されるという残念な状況がこれまで続いてきました。これら一連の写真は、1973年のエッセイ「なぜ、植物図鑑か」において作家自らが批判し、乗り越えるべき対象とした作品群ですが、作者がそれを否定した意味を再考するためにも当の作品が提示されることは充分に意義深いことのはずです。現在も写真家として日々活動を継続している中平卓馬の初期写真集をとらえなおし、いまなおアクチュアルな作品として再発見することを企図して、本書をここに再刊いたします。

川田喜久治（Kikuji Kawada）の原爆ドームの壁や天井に残る「しみ」を繰り返し撮ったデビュー写真集「地図 : The Map」の復刻版です。
壁に残った「しみ」は、証言するものの不在の意味を克明に語るが、写真の想像力は不在をこえた謎に向かうことが出来るかもしれない。生まれては消えるイリュージョン、その無言の深さも濃密で浸透力があった。（本書別冊「しみ』のイリュージョンより）

ホンマタカシ（Takashi Homma）の写真集「東京郊外 : TOKYO SUBURBIA」です。建築家 貝島桃代による「郊外風景の見方」、社会学者 宮台真司による「意味なき強度を生きる」の別冊テキスト付き。