flotsam books（フロットサムブックス）

「ONSEN I 」は、山谷佑介による温泉をテーマにした現在進行形のプロジェクトの新作です。
　野湯（のゆ、やとう）と呼ばれる自然の中に自噴する整備されていない温泉巡りは、山谷がカメラを手にして間もない15年程前から始まり、友人や家族、時にはSNSやZINEで希望者を募り現在も続いています。
　湯や水辺の場を中心にした人々のコミュニケーションは『日本書紀』や『万葉集』にも記述されており、山谷も温泉での撮影を続けていくうちに、原始の時代に耳を傾け、空間を超えて異なる惑星へと思いを馳せるような視点になってきたといいます。それら一連の実践は、時間を超えて変わらずに存在する自然や人間の姿を記録する撮影行為だけにとどまらず、ありのままの風景に身体を介在させて、人間と世界そのものを捉え直そうとする試みとも言えます。

本書はflotsam booksが出版した初めての写真集です。
デザインはflotsam booksのロゴなどを手掛けた山田悠太朗の手によるもので、表紙は山田が実際に山谷の野湯行きに同行し、湧き出る温泉や硫黄を直接紙に写し取ることで生まれた模様をシルクスクリーンと特殊加工で忠実に再現しています。

イギリスのアナーコ・パンク（無政府主義パンク）バンド CRASSのアーカイブブック。
約30年以上にわたり断続的に CRASS が編纂した本書は、写真、配布資料、ポスター、アートワークなど364ページのボリュームでバンドの歴史がまとめられています。

イギリスの出版社 BARON は、Joakim Andreasson（ヨアキム・アンドレアソン）が2015年から2017年までの3年間に撮影した2005s/s以前のHELMUT LANG（ヘルムート ラング）のオリジナル・デザイン10,300点以上の写真と関連資料を編集したブックを発表します。

この本には、元デザイナーのアーカイブが保管されていたSOHO（ニューヨーク）のビルを襲った、今では悪名高い2010年の火災から救い出され、数年後に売却されたアパレルとアクセサリーを視覚的にまとめられています。
アンドレアソンによる写真は、これらの販売のための視覚的なサポートとして用意されたもので、大惨事の状況によってあらかじめ決定された編集で、ヘルムート ラングのデザインの重要かつ比類のない調査として機能しています。

13人の写真家が、EU25カ国を撮り下ろした写真集「In-between」の13巻セットです。（別巻 25カ国編欠）

このシリーズは男らしさと親密さを探求します。
スウェーデンの写真家Erik Viklund（エリック・ヴィクルンド）による素晴らしいプロジェクト「Om han var」は、2つのレベルからなるプロジェクトです。
まずエリックは路上で若者たちを「見つけた」。 第二に、肖像画はエリックが公共スペースから集めた拾い紙に印刷されました。 エリックはこれらの紙シートを接着してプレスし、写真を印刷し、最後にそれらを手縫いして本を作成して出版物を作成しました。

イタリアの詩人 Dante Alighieri（ダンテ・アリギエーリ）の没後 700 周年を記念して立ち上げられたこのプロジェクトは、ICCD の写真専門家だけでなく、さまざまな専門家や学者も参加した深い分析と考察の結果であり、まったく新しい視点で詩人の世界を見つめています。

ダンテ・アリギエーリが主要な作品で扱った物体、風景、その他の自然要素に焦点を当てています。 明るく写真的な物語は、初期のアナログ写真プロセスを使用して、3 つのカンティクルからのイメージと目の錯覚を細心の注意を払って再構成することによって命を吹き込まれます。

Xiaoxiao Xu （徐曉曉）は、万里の長城の麓に沿って人々の生活を記録するために25,000キロメートルの旅に出ます。
一般に信じられていることに反して、城壁は単一の連続した構造物ではなく、中国のさまざまな王朝の間に建設された城壁や要塞の集合体です。
彼女の写真は、一部の地域では衰退しているにもかかわらず、壁とそれを尊重し保護する地元住民との間に生き生きとした関係が残っていることを示しています。
その過程で、徐は急成長を遂げる中国がこの史跡に与えた影響を探ろうとしています。万里の長城沿いの村々は今でも古代の伝統に従って暮らしていますが、それらは徐々に消滅しつつあります。 彼女はこの視覚的な変化を捉えています。

パリのベルシー公園にある市営の屋外ジムには毎日色んな人々がやって来ます。
その中には、このサイトを単なるトレーニング スペース以上のものに変えるためのいくつかの取り組みを推進している Medhy 氏もいます。
2020年、彼は Marine Peixoto（マリン・ペイショト）を招待してその光景を撮影しました。
その後、彼女の練習はジムのリズムを取り入れ、腕立て伏せや懸垂をする人もいるのと同じように、Peixoto も集中的な写真撮影を行いました。
日常的なこと、繰り返し、季節の循環は、「現在を生き抜く」という彼女の決意を揺るがし、同じテーマに対する視点を常に新たにすることを彼女に強いました。
場所と見方を使い果たすというこの経験は、他者と自分自身への絶え間ない信仰の行為です。

ノースカロライナ州にある趣のある町で、ランビー族は従来のアイデンティティの概念に挑戦します。
2011年以来、写真家のMaria Sturm（マリア・シュトルム）は彼らの物語を撮り続けています。
ある特定のコミュニティでは、アイデンティティは単なる外見を超え、そのルーツを血統と歴史に見出します。 シュトルムは、自己発見への道を切り開いている若者たちの生活を掘り下げています。
このシリーズは、アイデンティティを構築するための時代遅れの基準を探求する説得力のあるものになり、人物、場所、インテリアのイメージを通じて、彼女はネイティブ アメリカンのアイデンティティに関する誤解に対峙し、固定観念がどのようにして私たちの認識に真実として浸透していくのかという痛切な疑問を提起します。

Adrianna Ault（アドリアナ・オルト）の「Levee」は、母親の死後、悲しみと喪失の複雑さを乗り越えながら、力強い癒しの旅に私たちを誘います。
穏やかなミシシッピ川沿いで、オルトは時間を超えた凍てついた瞬間に安らぎを見出し、人生の喜びと心の痛みの本質を捉えています。
このシリーズは、彼女が幼少期に育ったニューオーリンズの周囲の風景をより深く理解する方法として始まりました。 そこで彼女は、都市の周囲の水路が土地を常に脆弱な状態にさらしていることを発見しました。 物理的な風景は、ニューオーリンズとその人々の文化に根ざした感情的な風景と平行しています。