【Photographs by】Paul Graham(ポール・グラハム)
【出版社】MACK 2021年
【装丁】Hardcover(ハードカバー)
【ページ】84 pages with col. illus.
【サイズ】24.3 x 32,2 cm
【状態】A: New
1985年に自費出版されたPaul Graham(ポール・グラハム)の有名なシリーズ「Beyond Caring」は、英国内の社会保障・失業局の待合室や廊下で撮影されたもので、長い待ち時間や行列、過剰な負担を強いられる制度の劣悪な環境を記録し、人々が経験した苦難を伝える力強い写真シリーズとなっています。
公式な許可を得られなかったグラハムは慎重に撮影を行いましたが、カメラを見ないで撮影したため空間的な見当違いが生じ、結果的に弱い立場に置かれた人々の無力な苦悩が強調されました。
マグナムを代表する写真家たちは、古典的なドキュメンタリーのテーマに色を使っていることに憤慨しましたが、一方で、活動と芸術の世界を行き来するこの作品を賞賛する声もありました(労働組合会議とニューヨーク近代美術館の両方で展示されました)。
グラハムは、ソーシャル・ドキュメンタリー、「ニューカラー」、ルポルタージュなどの要素をミックスした、新しい形のエンゲージド・フォトグラフィーを生み出し、今日まで続く印象的な作品群を生み出しました。
1984年に制作されてから何十年も経っていますが、これらの写真は、写真としての重要性だけでなく、1980年代半ばの英国における失業危機のユニークな歴史的記録としても成長しています。