【Photographs by】Steinbrunn, Carly(カーリー・スタインブルン)
【出版社】MACK 2015年
【装丁】Softcover(ソフトカバー)
【ページ】96 pages with col. illus.
【サイズ】26 x 21 cm
【状態】A : New
100年後、この同じ場所で私と同じ様に絶望に暮れる旅人が、私に見えていなかった物の消滅を悔やむだろう。私は二重の疾患に苦しんでいる。見る物すべてに傷つくと同時に、もっと見ようとしない自分を絶えず咎めている。- クロード・レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』より
ロンドンを拠点とするフランス人アーティスト Carly Steinbrunn(カーリー・スタインブルン)の初作品集。本書は未知なる世界への探索についた科学報告書であり、収録された数々の写真は発見された物の目録であり、James Cook(ジェームズ・クック)やClaude Lévi-Strauss(クロード・レヴィ=ストロース)の旅行記などに見られる博学的好奇心を持ち合わせている。作者の作品は地理学、植物学、人類学や動物学に影響を受け、科学と写真史双方の要素を取り入れている。Le Gray(ル=グレイ)やBlossfeldt(ブロスフェルト)の様に写真の進化を探る一方、ファウンド・オブジェを使い写真という媒体の透明性を問う。それは、写真は現実の指標でもありながら、フィクションの索引でもある。またこのプロジェクトは意図的に未完成であり、ここだけにしか存在しない世界へ道順を示す標識があるだけである。最終的にはこの作品集は写真と探検が深い繋がりを持っていた時代へ言及しており、全ての島々が地図に記され、国境が越えられたこの時代では、唯一残された冒険は写真の中に記録されている。