【Artist】Peter Saville (ピーター・サヴィル)
【出版社】PAUL STOLPER 2019年
【装丁】2 softcover books in a slipcase(ソフトカバー, スリップケース)
【ページ】90 pages + 60 pages with col. and monochro. illus.
【サイズ】27.5 x 21 cm
【状態】A: New
イギリス人グラフィックデザイナー、ピーター・サヴィル(Peter Saville)の作品集。
2002年から2019年の間に制作した印刷物とマルチプル作品を収録した一冊。
この15年の間に、ロンドンの Paul Stolper Gallery の協力のもと、作者はドローイングや彫刻を含む多数の作品を制作してきた。シルクスクリーン印刷からインクジェット印刷、タペストリー、アクリル樹脂、ネオン、レジンまでと幅広いテクニックや素材を使い、様々なテーマや作品のバリエーションのもと作者の名作とも言えるグラフィック作品が生まれていった。
ヴィクトリア & アルバート博物館(V&A)やメトロポリタン美術館(Met)、ルーブル美術館の膨大な収蔵品を見て回った際に、誰もが何十回も通り過ぎたはずなのに、気に留めたことも見たことさえないかもしれない小さな注意書き。修復やリサーチ、あるいは撮影のために作品が非公開になっていることを伝える注意書きには、ガラスのように存在感がないものもあれば、目立つように鮮やかな色の丸いシールが貼ってある場合もある。
美術館における展示の論理と流れを一時的に中断するこれらの記しは、そこに一つの作品があったことと、それが再び戻ってくるという二つのことを保証している。ドイツ人アーティストのアンナ・ブレスマン(Anna Blessmann)は、10年以上前から世界中の美術館やギャラリーにあるこれらの注意書きに注目し、写真に収めてきた。目立たないようにそっと添えられている文章を撮影したシリーズをみていると、形や文章の調子によってなんとなく分類できることがわかるが、この作品の面白さは、個々の違いというよりもこうした「芸術作品の代役たち」が一つのジャンルとして何を表象しているのかということにある。サヴィルと ブレスマンの2人は、これを念頭に置いて所有とコレクション、ポテンシャルと想像、そして芸術作品それ自体という概念を探求する作品として、美術館の注意書きのシリーズを制作した。